前回の【変貌と疑惑6・"道"】において
"道"がシスイに自殺をさせるような存在ではない、と認識していた。
という項がかなり記述が抜け落ちてたのでつけたしておきました。
しかもタイトルが1回分飛んでたという…(@o@)


1.フガクの態度

「もう兄さんの後は追うな…」

フガクにそう告げられて、困惑するサスケ。

「この調子で兄さんの様に立派にやりなさい。」

と言われて、これまでイタチを目標に父に認められようと
弛まぬ努力を続けてきたサスケにとっては、
自分の今までを否定するような言葉だったかもしれません。


フガクはイタチについてどのように思っていたのでしょうか?

「………あいつは少し変わっている…。馴れ合うのを好まないタイプなんだよ。」
「さあな…親のオレにも読めん奴だからな…アイツは…」

嫌っていたわけではないらしいことが分かる台詞。
ただ、イタチがどのように考えているのか測りかねている――、
そう解釈するのが妥当でしょう。
イタチが一族を殲滅させんとすることを知っていたのなら、
親として心配するようなこの台詞はなかった――と言えるでしょう。
つまりフガクもイタチの異変に気づいてはいたものの、
この後の一族虐殺は予想だにしていなかった――といえます。
シスイ殺害疑惑からイタチのことを責任をもって監視するといったフガク。
多少は色眼鏡が入っていそうですが、
自身の言葉ゆえの責任感をもった行動を心がけていたはずです。
――とすれば、フガクにとっては本当に急な展開でこの事件は起こったことになります。

2.イタチの態度

シスイ殺害疑惑から、しばらく経って、サスケがイタチの様子を窺おうとします。
イタチは手裏剣術を教えてもらおうと言い寄ってきた弟に、

「許せサスケ…。……また今度だ。
 今日はお前に構っている暇が無い。」

と言って額を小突きます。
サスケは前と変わらぬ兄を感じ一瞬ホッとした表情を見せますが、
その後イタチは目を伏せ、物憂げな様子で玄関を出ていきました。
やはりどこか違う兄を感じたのか、緩んでいた口元は締まり、心配そうな表情を見せます。


イタチはなぜこの時、このような表情をしたのでしょうか?
話の流れ的に一族虐殺事件のすぐ近くの描写です。
お察しの通り、前もって一族虐殺事件を前もって知っていたから――だと思われます。

  • イタチが事件の真犯人の場合

一族に絶望してはいても、滅亡させることには気が進まないでいた。
けれど、高みに近づくため、己の器を測るためにやむをえない行動だった――。
この表情から、イタチは心の底では迷っていたことが窺えます。
一族を虐殺することが己の器を測ること、高みに近づくこと――
後のイタチの発言を真とすれば、動機はこれになります。
しかし、高みに近づこうとするのに普通ならこんな発想はしません。
たとえ一族を見限っていたとしてもです。
誰かに煽動されていた――、
イタチはその人を尊敬していたし、絶対だったから正しいと思い込んで
事を起こそうとしていたが迷っている――
そんな表情だと見て取れるのです。

  • イタチが事件の真犯人でない場合

真犯人でない場合においても、一族虐殺事件を知っていた、
あるいは何らかの関わりがあると見たほうが良いでしょう。
一族を見限ってはいたけれども、
いざ一族虐殺の期日が近づくと、複雑な心境だった――。
そんな様相だととらえることができます。


つまり、イタチが犯人であったにせよなかったにせよ

  • この事件の裏側にはイタチ以外に第三者の介入がある

ことがやはり感じられるのです。