373 『師弟時代』

373話の内容を受けて、
自来也の弟子】*1を加筆・修正しました。

1.師弟時代

長門が発現したのは輪廻眼と呼ばれるもの。
全ての忍の始祖とされる六道仙人はこの輪廻眼をもち、
現在の全ての忍術を生み出したとされる――。
六道仙人は世が乱れた時に天から使わされる創造神とも、全てをゼロに戻す破壊神とも言われ、
自来也自身が神話の中のものだとすら思っていたほどの伝説の眼。
三大瞳術のうちの一つで最も崇高とされているものです。
(三大とつけるのは、多くの種類があって、
 その中でとりわけ優れているか有名なものを選出してつけられるので、
 三大瞳術に写輪眼と白眼が入っているかは分からないが、話の流れ的におそらくそうであると思われる。)

ある夜、床から抜け出て、外で泣いていた長門
友達である弥彦を傷つけられて、相手に怒りと憎しみを感じた瞬間に、
頭が真っ白になり、気がついたときには岩忍が倒れていたこと。
我を忘れた自分のしたことを恐れつつ、
別の方法もあったかもしれない悔いながらさめざめと涙を流す長門に、自来也はこう諭しました。

「ワシもそれが正しいのか間違っているのか良く分からん。
 だがお前のお陰で弥彦は死なずに済んだ。友達を守った…
 …お前は正しいことをしたハズだ。
 誰もお前を責められはしないのォ…
 傷つけられれば憎しみを覚える…
 逆に人を傷つければ恨まれるし、罪悪感にも苛まれる。
 だがそういう痛みを知っているからこそ人に優しく出来ることもある。それが人だ。」

そして長門は、今一度自分の中にある思いを確認しながら、自来也に打ち明けるのです。

「ボクはただ二人を守りたい。どんなに痛みが伴うことがあったとしても。」

それから三年程の修行を経て、弥彦・小南・長門の三人は自来也の影分身を倒すまでに成長します。

「この国は貧しい…この先悲しいことも多々あるだろう。
 だが今度はお前たちの力でこの国を変えていけ。」

自来也そう言った後、三人それぞれに別れの言葉を残すと彼らの前から去っていきました。
回想はここで終わります。


自来也は彼らと別れた数年後、
いくつかの紛争での彼らの活躍とその後に死んだことを小耳にはさんだことを小南に告げます。
彼女はそれに対して、
「先生はあれからの私たちを知らない。」
そう鋭く言い放ちました。
そして姿を現したペインのその眼を見て、自来也長門だと悟るのでした。

2.弥彦と長門

〈六道仙人〉という新しい存在が出てきました。
全てを創造するものであり、破壊の権化でもあり、忍や忍術のの始祖でもあり――
つまり神に等しい存在というわけですね。
その伝説の仙人がもつとされる輪廻眼を持つ長門とは何者なのか?
ペインは自来也長門と言われて、否定はしませんでした。
つまりペインは長門だと考えていいでしょう。小南もいます。
しかし、弥彦にあたる人物が見当たらない、否、
はじめペインとされていた壱の人物こそが弥彦の姿そのものです。
つまり長門の本来の姿が見当たらない――と考えた方がいいでしょう。
他の4体のうちにあるのか、弐のペインその身体が長門のものなのか?
謎はまた深まります。