413 『崩落』

3週間もの間更新が滞っていて申し訳ありませんでした。
またぼちぼちと記事を書き出していきたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。


.崩落

「ウイイイイイ!!!」

咆哮とともに突き上げるように翳した左腕。
人差し指と薬指が天を指します。
ナルトに見られたように、八尾の人柱力をチャクラの衣が覆い始めます。
雷犂熱刀<ラリアット>――渾身の一撃をサスケは写輪眼で見切ります。

「ホウ…この八本目をかわしたのは兄貴以来だ。」

しかし転回はせず、その勢いのまま今度は水月、重吾、香燐の方へと突進します。

「先にお前らバラバラ♪」

凄まじい衝撃で三人がいた場所は大破します。
湖にたたきつけられながらも、
なんとかやりすごした三人。

「無事か!?」

三人の様子を見やりながら、自分の態勢を整えるサスケ。
八尾の人柱力の爆発的な技の威力、そしてスピード。
しかし軌道は直線的なので、写輪眼で見切れないことはない。
そこに勝機を見出したサスケ。

「香燐! 奴のチャクラを感じ取って行動を先読みしろ。
 奴の居場所は常に把握して俺たちに伝えるんだ。」

しかし、嘲笑うように八尾の人柱力の猛攻は続きます。

「それで間に合うならな!!」

サスケへと飛来する八尾の人柱力。
その距離を詰めつつあった刹那、
サスケの万華鏡写輪眼が黒眼鏡の奥を射抜きます。

「その眼…写輪眼…幻術か。」

幻術でその動きを止めます。
しかしサスケが酷使した眼を庇いつつふりかえると、
目の前には振りかぶられた腕。
右の首と胸部を抉り取られるような一撃で、
サスケは後方へ大きく吹き飛ばされます。
サスケを受け止めた重吾。
回復させるために香燐がサスケの負傷部位と同じ箇所を晒そうとしますが、
重吾が止めます。

「彼は僕の生まれ変わりの様な存在だ。」

君麻呂の言葉を思い出しつつ、
友が命を賭して守ろうとしたサスケを今度は自分が守らなければならない――。
そう決意したようにサスケの負傷部位に手を翳す重吾。

「サスケの身体と同化して、オレのチャクラと身体を分け与える。
 オレの呪印と適合できたサスケの身体ならできるハズだ…」

しかし戦況はどんどん悪化していきます。
何か恐ろしいものを感じ取ったかのように振り返る香燐。

「幻術を解くには己のチャクラを乱して目を覚ましてくれる相棒が必要だ。
 オレ様の相棒はオレの中の八尾。
 尾獣をコントロールした人柱力には幻術はきかねェ。」

皮膚がめくれていき、とうとうその内に眠る八尾へと姿かたちを変えていきます。

「お前らには幻滅 そしてお前ら壊滅♪
 人柱力であるオレ様の本当の姿ァ
 それは怪物 それを見物♪
 人柱変化 イエ――♪
 八尾でちびれおチビ共♪」

蛸の吸盤のようなものをもつ尾が8つ、
そして4つの禍々しい角をもったバフォメット*1にも似た巨牛。
それが八尾の尾獣の姿でした。

*1:バフォメットはキリスト教の悪魔の一つ。山羊をモチーフとする。