尾獣の強さについて

今回は多少本格的(?)に尾獣の強さを考えます。
冗長になるかもしれないので、結果だけを見る場合は3のみ参照のこと。

1.定義

――で、再び尾獣の強さに関する定義を考えます。
性懲りもなく数値化して尾獣の強さを測定します。
より考えられる強さに近づけるために、今回はファジー理論っぽく考えてみましょう。

前回、尾獣の強さをその尾が一つ少ない尾獣までの強さを足していった和として考えました。
今回はある尾獣x尾をファジー集合によりx尾と決め、
ファジー集合のメンバシップ関数で代表的な関数を用いて概念的に考えます。

平たく言えば、三尾というのは“三尾”という突出した値をもっていて、
その他に例えば“四尾”の値が若干、“九尾”の値がほぼ0の割合といった感じで定義します。


n を 1 \leq n \leq 9 の整数として扱い、
n尾であるということは以下の定義に従うものとします。

メンバシップ関数\mu(x)

\mu_n(x)=\frac{\, 1 \,}{1+(x-n)^2}

と定める。n尾であることは、
\mu_n(n)=1

である。

さらに尾獣の強さを次のように定義します。

メンバシップ関数の要素nに対して、

\Large J_n=\sum_{i=1}^{9} \Large \mu_n(i)

とおくと、強さI_nは、

\Large I_n=\frac{\Large n}{\Large J_n}

で定義する。

J_nはその尾獣が他の尾獣にどれだけの割合で属しているか、
その値を和として表したもので、これを逆数に扱うことで、
ファジー集合におけるその尾獣の位置と、
尾の数が強さに比例するという考え方を融合させることにします。

2.計算

例えばJ_1は次のように表されます。


J_1=1+\frac{\, 1 \,}{2}+\frac{\, 1 \,}{5}+\frac{\, 1 \,}{10}+\frac{\, 1 \,}{17}+\frac{\, 1 \,}{26}+\frac{\, 1 \,}{37}+\frac{\, 1 \,}{50}+\frac{\, 1 \,}{65}


これらを計算していくと、
J_1=J_9=\frac{400611}{204425}=1.9597
J_2=J_8=\frac{999357}{408850}=2.4431
J_3=J_7=\frac{21459}{8177}=2.6243
J_4=J_6=\frac{5961}{2210}=2.6972
J_5=\frac{231}{85}=2.71647

また\mu_n(x)は以下のようにx=nに関して対称となります。
図はn=3の例。


3.尾獣の強さ

したがって算出される尾獣の強さに関して、有効数字を5桁とすると、


尾獣 強さを表す数値I_n
一尾(n=1) 0.51028
二尾(n=2) 0.81863
三尾(n=3) 1.1432
四尾(n=4) 1.4830
五尾(n=5) 1.8406
六尾(n=6) 2.2245
七尾(n=7) 2.6674
八尾(n=8) 3.2745
九尾(n=9) 4.5925

この結果から九尾は一尾に対して
4.5925/0.51028=8.9999(倍)
つまりほぼ9倍強いということになります。
また九尾は八尾に対して
4.5925/3.2745=1.4025(倍)
1.4倍強いということになります。

このデータは、大雑把に一桁目を見ると
(一尾、二尾)(三尾、四尾、五尾)
(六尾、七尾)(八尾)(九尾)
の5つの強さの階級があることを示しており、
感じとしては悪くない気がします。